ちぃ通信

イギリスでワーホリ生活、700日の記録。

我慢をしないで

今日、悲しい知らせを耳にしました。韓国で歌手・俳優として活躍していた女性が亡くなりました。まだ25歳の若さでした。はっきりとした原因はわかっていませんが、自殺とみられています。

私は大学生の頃から所謂K−POPが好きです。今回の彼女のことも勿論知っていたし、素敵な歌声とチャーミングなキャラクターに惹かれていました。度々世論を騒がせることもありましたが、それも彼女の魅力の一つだったと思います。どんな批判も気にせず、自分らしくいる。そんな人だと勝手に思っていたので、この知らせは本当に悲しかったです。

真相がどうであれ、今はただ、彼女が安らかに眠ってくれていることを願うばかりです。

 

私は今、YMSのビザを利用してイギリスに暮らしていますが、日本では葬儀会社に新卒採用で働いていました。今日はその頃の話をさせて下さい。

 

葬儀屋にいた頃、当たり前と言えば当たり前ですが、毎日のように葬式を執り行っていました。100歳での大往生で、半ば御祝いのようなお式もあれば、不慮の事故、不治の病での哀しみに満ちたお式、遺族の方が今後の相続のことばかり考えている追悼のかけらもないお式。本当にいろんなお式がありました。そんな中、退職をして1年ほど経ちますが、今でもふと思い返すのは自ら命を絶った方を送ったお式が多いです。

何故かと言えば、いちばんやるせないからです。自分の意思でこの世を去ることを決断した故人と、遺った家族。何か救える場面はあったんじゃないか、どうしてこの人はその決断をしたのか。部外者である私でさえ色々なことを考えてしまう、生きている可能性を願ってしまうのです。生前の姿を知っている人たちにはどれほど辛い別れでしょう。正直、故人に怒りを覚えるときもありました。

ですので、個人的に一番エネルギーを使うお式なのですが、ある時、立て続けにそういったお式を担当するときがありました。ご高齢の方の、往生でのお式ですら気が滅入る時もあったので、この時はさすがに堪えたのでしょう。事務所で作業をしている時、勝手に涙が出てきて、止まらないのです。

でもその時、ベテランの先輩スタッフに言われたことがあります。

「我慢せず、辛いなら泣きなさい。抱え込んでしまった人が、もうどうしようもなくて、自らこの世を去る決断をしてしまうの。だから溜め込むのをやめなさい。」

お式の時にはどうにか気持ちを切り替えて、葬儀屋の務めを果たすことができました。

ですが、その頃から自分の長い人生のことを考えるようになり、結局その会社を離れ、日本の外の世界を経験することを選びました。今、私がここにいるのはあの頃の経験があったからだなと強く思います。

 

仕事を辞めて、日本を発つまでの間がしばらくあったので、花屋でバイトもしました。お花って、嬉しくてお祝いする時も、悲しくて悼む時も贈られるんです。面白いですよね。

バイト先でお花の手入れをしている時、小さい花が元気に咲いているのを見て、ふと涙が出ました。何だか感動したんです。その時に、「あぁ、自分も疲れてたんだなぁ」と気づくことができました。

 

今、イギリスに来て2ヶ月が経とうとしていますが、時々どうしようもなく孤独に感じることがあります。そういった時は、日本から持ってきた本や、フィリピンで出会った友達・先生からの手紙を読んで、前向きな気持ちに切り替えるようにしています。大家さんや友達と直接会って話すのも、気分を軽くしてくれます。

 

もし、この記事を読んでいて、何か自分に思い当たる部分があった人はどうか辛いことを我慢しないでください。誰か知り合いに話してください、Twitterにつぶやくだけでもいいです。とにかく我慢することを辞めてください。

それでも、どうしても、我慢をしなければいけないことがある時は、この言葉を思い出してください。

「神様は乗り越えられる試練しか与えない」

 

全ての人の未来が明るいことを願っています。